水引って何?結び方の種類と選び方を解説

水引

皆さんは水引の正しい使い方を知ってますか?

水引は同じ祝儀用でもいろいろ種類があり、色や本数によっても用途が分かれます。最初は選ぶのに困る人も多いでしょう。

ここでは水引を種類ごとに分け、それぞれが表す意味や使い分け方を紹介します。参考にしてみてください。

水引とは?

水引の由来は定かではありません。

一説によると、飛鳥時代に遣隋使の小野妹子が持ち帰った朝廷への献上品が、布で包まれ紅白の麻紐で結ばれていたのが始まりとされています。

この頃から宮中への贈り物には紅白の麻紐を結ぶようになりました。

 

もともと「結ぶ」という行為には”魂を込める”という意味合いがあったことから、穢れの無いことの証明ともされていたそうですよ。

赤い紐には”魔除け”、白い紐には”清浄”という意味もあったみたいです。

 

それが平安時代になると、麻紐ではなく「元結」が使われるようになりました。

元結は簡単に言うと”和紙で作られた紐”で、水糊を引いて固めることで完成します。これが「水引」と言われるようになった由来だと言われています。

ちなみにこの元結は、もともとは髷を結うのに使われていたものでした。

 

また、水引が宮中への贈り物だけでなく、我々一般市民にも広まりだしたのは江戸時代末期。

さらに明治に入ると髷を結うこともなくなり、元結が贈り物を贈る際の道具として定着しました。

現代では祝儀、不祝儀等の大きな行事に欠かせない存在となってます。

結び方の種類と選び

水引は大きく種類を分けると、「結び切り」と「蝶結び」の2つになります。

今回紹介するのは全5種類の水引ですが、残りの3つは結び切りが変形したものです。

蝶結び/花結び

蝶結びは、結び目が簡単にほどけて結び直すことが出来ることから、「何度あってもうれしいこと」という意味が込められています。

めでたいこと(祝儀)があった時に使いましょう。

しかし結婚祝いに蝶結びの水引はNG

お祝い事ではありますが、結婚は繰り返して良いものではありませんから注意が必要です。

  • 出産祝い
  • 入園入学祝い
  • 新築祝い
  • 長寿祝い
  • お中元、お歳暮

結び切り/真結び

結び切りは、結び目がほどけないことから、2度あってはいけないことを表します。

2度と繰り返されないようにという気持ちをこめて、めでたくないこと(不祝儀)があった時に使いましょう。

その一方で、「ほどけない=離れない」ということから”結婚祝い”にも使われています。

  • 弔辞
  • 病気見舞い
  • 快気祝い
  • 災害見舞
  • 結婚祝い

輪結び

輪結びは、結び切りが少し変形した形です。

「切る」という縁起の悪いワードを避けるために作られた水引。

結婚祝い等の婚礼用として使われることが多いです。

 

実際は紅白の結び切りも結婚祝いに使われますが、準備出来るなら輪結びを選ぶ方が良いでしょう。

  • 結婚祝い

あわじ結び/鮑結び

あわじ結びは、両端を引くと固く結ばれ互いに絡み合っていることから「末永い付き合い」を表します。

結び切り・輪結びと同様に、「繰り返されてはならない」という意味もあるため不祝儀の際にも使われます。

  • 結婚
  • 弔辞
  • 病気見舞い
  • 快気祝い

ちなみにあわじ結びには、「正」と「逆」というものが存在します。

結った時に赤が上になるのが「正」、白が上になるのが「逆」です。

ほとんど区別する人がいないのが実状ですが、一応「正は一般的な時、逆は目上の人に贈る時」といった分け方がされています。

軽く頭に留めておきましょう。

老いの波

老いの波は、結び切りが変形した形です。

波は目尻の小じわを表し、「末永く添い遂げられるように」という意味が込められています。

  • 結納
  • 結婚

水引の色が表す意味

水引は色にも違いがありますね。これも注意が必要。

古くから日本で色は「格式」と深い関わりがありました。

高い地位につくものは「金、銀、紫」、位が低くなるにつれ「赤→藍→緑→黄→黒」みたいな感じ。

 

これをもとに慶弔をそれぞれ色で表したのが、現代でも馴染みがあるように「めでたいこと=赤色」「めでたくないこと=黒」という考えです。

水引の色にもこの考えが当てはまります。

 

現代では、祝儀で使われる水引の色は「紅白」「金銀」「金赤」、不祝儀の水引には「黒白」「銀」「銀白」「白」などが使われます。

ちなみに「黄白」「青白」は時間を経た法事で使います。

水引の色の使い分け方
  • 祝儀・・・紅白、金銀、赤金
  • 不祝儀・・・黒白、銀、銀白、白
  • 時間を経た法事・・・黄白、青白

水引の本数

実は水引の本数にも意味があり「祝儀は奇数、不祝儀は偶数」とう区別がされています。

これは中国の陰陽五行説から来ていて、奇数は「陽=慶事」偶数は「陰=弔辞」を表します。

さらに、五行説の「五気(木、水、土、金、水)が万物すべての基本」という考えから「5」を基本の本数とし、5本よりより多ければ丁寧、少なければ略式を表すようになったと言われています。